ギャヴィン・デグロウ“チャリオット”

music050416.jpg良いものは良い。

あまりに大物になってしまったシンガー・ソングライターたちを好きなアーティストに挙げるのは難しい。突き詰めた聴き方をしないぼくなどは尚更だ。要するに気後れがある。好きなら勿論全アルバムを持っているべきだとか、薀蓄の十や二十は出てきて当然だとか思ってしまう。

ぼくが折に触れて聴き返すスタンダード・アルバムにスティービー・ワンダー“キー・オブ・ライフ”とビリー・ジョエル“ビリー・ザ・ベスト”がある。殆ど説明の必要はないと思う。誰もが聴いたことのある名曲がぎっしりと詰まっている。何を今更改まって、とか、本当のファンはそうじゃない、とか。そんな感想が山ほどあるだろうことは想像に難くない。それでもぼくは、これで彼らの素晴らしさを堪能しているのだし、これからも聴き続けるつもりでいる。

時間は色んなものを淘汰していく。

生き残るには運と実力がいる。一時的なヒットなら運だけでつかめるかもしれない。悲しいことに実力だけだとそれすらも覚束ないんじゃないかと思う。

ギャヴィン・デグロウというシンガー・ソングライターがいる。デビューアルバムは“チャリオット”。まだデビューして2年ほどの新人だから、少し大袈裟かもしれないと自覚しつつ書いておく。

彼の歌にはスタンダードの匂いがある。

"21世紀のビリー・ジョエル"などと言われることがプラスなのかどうかは分からない。ただ、その評判が伊達じゃないことは、聴けばすぐに知れる。

不覚にも肩が震えた。

奇を衒わない、誠実でソウルフルなヴォーカルは、それこそスティービー・ワンダーやビリー・ジョエルを引き合いに出すことになんら躊躇いを覚えないほどだ。

実力はある。

風雪に耐え、スタンダードになって欲しいと心から思う。

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